ニューヨークでのテナント探し3つの基本。

私自身、自分の投資物件にテナントを持つランドロード(大家さん)でもあるため、クライアントの方にはテナント探しの際にできるだけ実践的なお話しを差し上げながらサポートさせていただいていますが、今回はその中から特に新しくテナントを入れるときに注意したい基本ポイントを3つご紹介したいと思います。

修繕は必要、アップデートは・・・。

古いテナントが退去し新しいテナントが入居するまでの間というのは、大家さんにとって物件のメンテナンスをおこなうチャンスでもあります。

物件のメンテナンスは「修繕は必要、アップデートは不要」が基本です。

修繕は、大家としての義務を果たし、テナントとのトラブルを防ぎ、資産としての物件を守るために物件を持っている限り常に必要です。

そして特にビルディングがらみの大掛かりな修繕などの場合、テナントがいる場合には入出の許可やアポイントメントなどに手間取ることも考えられるため、テナント退去後にあわせて行うのが得策といえます。

またトイレ、キッチン、バスルームなど水漏れ事故が起こる可能性がある場所はたとえ現在トラブルがなくともしっかりとチェックしておくことが重要です。

時にはコントラクターを雇わなければならない場合もありますので、これら全てが終了した後に、古いテナントによりスペアキーが作られた可能性がある玄関ドアの鍵のシリンダーを変えて終了となります。

これに対してアップデートには注意が必要です。

というのも多くの場合、大家さんが考えるアップデートはテナントにとって高い賃料を受け入れる要因にならないからです。

特にキッチンやバスルームを「素敵に改装する」ことや、電子レンジや食器洗浄機の導入などは、残念ながら多くの場合テナントにとって高い家賃を正当化する理由になりません。

ただし以前にも書きましたが、洗濯機&乾燥機をユニット内に導入できる場合には、(場合によりますが)若干高めの家賃を設定できる可能性があります。

またアップデートと修繕の中間なのが壁の塗り替えですが、フレッシュペイントのユニットは、物件を見にきたテナント候補に好印象を与えますので予算が許せば行うことをおすすめします。

ちなみに、テナントは一般的に修繕の工事や修繕中の箇所を見ると、それを物件のマイナス要因として考えます。そのためテナントに物件を見せる際には、アップデートの工事は進行中でもかまいませんが、修繕のための工事は完全に終了していることが大切です。

また実は上記以外にもアップデートにはリスクが伴う場合もありますので、ぜひ動かれる前にご相談いただければと思います。

敷居の低さは後のトラブルを招く

さて、アパートの修繕に目処がつきテナント探しとなった場合、最も重要なのは「テナント審査をしっかりと行う」ということです。

テナント審査では、そのテナントが契約期間中に滞りなく賃料を払ってくれるかどうかの判断が最も重要なわけですが、ポイントは「直近2年間の世帯所得」「クレジットヒストリー&スコア」「資産証明」「雇用証明」となります。

中でも、統計上その後の金銭トラブルがどの程度おこるかがはっきりとわかるクレジットスコアは、世帯収入とあわせて審査上の重要項目といえますが、例えば駐在員さんや学生さんなどで用意できない場合には、これにかわる審査書類を求めます。

ちなみに私自身が大家さんのお手伝いをする際には、テナントの方には前述の書類も含め最低10種類書類を提出していただきます。

これにより大家さんはテナント候補者に対する十分な情報を得ることができ、そのテナントのリスクを判断することが可能となるわけです。

十分な書類が提出できない、もしくは書類に何らかの問題があるテナントが「数か月分の家賃を前払いしますのでなんとかなりませんか?」という話しをよく聞きますが、一部の例外を除きアクセプトするべきではありません。詳細は割愛しますが複数月の家賃を前払いで受け取ることは大家さんにとって大きな法的リスクになるからです。

また我々不動産会社を使う場合、大家さんは不動産会社に対して何のフィーも払う必要はありませんが、テナントは不動産仲介手数料を支払う義務が発生します。

そして実はこの「テナントが不動産仲介手数料を支払う」というも、良質なテナントを確保するためのスクリーニングとして非常に重要なポイントになります。

契約書&ライダーなしでの賃貸はアウト

良質なテナント候補が見つかった場合、テナントとの契約に進みます。

しかしこれまでトラブルがあった大家さんからは「何の契約書も取り交わしていません」もしくは「契約書はありますがライダーはないです」・・・という話しを多く聞きました。

「友人から紹介されたテナントさんだから大丈夫だと思った」とか、単に「面倒だったから」ということが理由のようですが・・・これは絶対にNGです。

くどいようですが重要なのでもう一度書きます。例えテナントが駐在員さんであっても学生さんであっても、これは絶対にダメです。

6ヶ月以上の長期契約、6ヶ月以下のショートターム、そして例えMonth-to-month・・・どんな場合であっても契約書は大家さん自身を守るために必須です。

また時に契約書以上にトラブルの原因となるのがライダーとディクスロージャーです。

それぞれに対する詳細は割愛しますが基本的に新しいテナントさんを入れる場合には、契約書を含め以下の書類を法律に準拠し用意しテナントのサインをもらう必要があります。

特にレッドペイント、ベッドバグ、ウィンドガードライダーがない場合、物件のシチュエーションによっては違法となり大きなトラブルの原因になりますのでご注意ください。

  1. 賃貸契約書
  2. 賃貸契約書に添付するライダー
  3. レッドペイント・ライダー&パンフレット
  4. ベッドバグ・ディスクロージャー
  5. サニテーション・ライダー
  6. スプリンクラーディスクロージャー
  7. ウィンドガード・ライダー

テナント探しはとにかく最初が肝心。現在のテナントさんのリースが数ヵ月後に切れるという大家さんは、ぜひお気軽にこちらからご相談ください