一般的にニューヨークの不動産マーケットは、1月と2月が最もスローなシーズンとなります。今年は比較的暖かい物の、それでも体感気温がマイナス15℃前後になる日もあるこの時期は、やはりオープンハウスへの訪問者も少なくなります。また、昨日今日とスノーストームの影響で、ニューヨークは18インチ(約45cm)の雪が降りました(上の写真はうちのフロントヤードにおいてあるゴミ箱に積もった雪です)。

しかし、実は今年は1月の序盤から色々と動きがあり、1月後半に入った現在、例年になく様々な不動産案件のご相談を受けている状況です。

さて、前回のポストで、ニューヨーク不動産のマーケット動向として、主にマンハッタンとブルックリンの動きについて書きましたが、つい先日クイーンズの2020年第四四半期のマーケットリポートが上がってきましたので、今回は現在のクイーンズにおける不動産の速報をお知らせしたいと思います。

まず、クイーンズのマーケットは、コンドミニアム、コープ、タウンハウスなどの一軒家(マルチファミリーハウスを含む)という3種類のマーケットがあるわけですが、最も多く取引されるのは、タウンハウスなどの一軒やでありマーケット全体の62%を占めます。次がコープの25%、そしてコンドミニアムが13%と、マンハッタンやブルックリンとは異なった物件取引構成となっています。

その上で昨年対比をベースに数字を見てみると、床面積辺りの価格は、コンドがマイナス13%、コープがマイナス3%の下落、これにたいして一軒家は2%の価格上昇となりました。ただし、一見すると大きく価格が下がったかのように見えるコンドですが、実は価格帯ごとに詳細を見ると、350K以下の物件は3%の価格上昇、また350-500Kの価格帯については9%の価格上昇となっており、価格の下落は500K以上の物件のみで起こっていることがわかります。

また売買価格の中央値(Median Price)は、コンドのみが$685,000でマイナス2%の下落となったのに対して、コープは2%の上昇で$320,000 、一軒家は7%の上昇で$760,000となっています。

マーケット構成とニーズがマンハッタンやブルックリンとことなるクイーンズのマーケットは、アストリアやLICなど、マンハッタン、ブルックリン近郊のエリアでは開発が行われているものの、賃貸居住率よりも持ち家率が圧倒的に高いこともあり、郊外型マーケットの動きを見せますが、現在のような不透明感のあるマーケットでは、エリア、価格帯、物件タイプによってかなり異なる動きを見せますので、実際に物件を購入、あるいは売却する際には注意が必要です。