米国の独立記念日(Independence Day)が過ぎて、いよいよ夏本番となったニューヨークです。
ワクチン接種による感染率の低下が急速に進み、NYCでは1回以上のワクチン接種を行った成人が約70%となったことで、生活面においてはほぼ全ての活動がCOVID前の状況に戻っています。もちろん引き続きマスクの着用やディスタンシングなどによる注意は必要ですが、ピーク時と較べると明らかに人々の生活に活気と笑顔が戻ってきた感があります。
前回のポストからあっという間に7月となりましたが、この間、ニューヨークの不動産マーケットは強いリカバリーを見せており、弊社も2007年以来のセールスレコードを記録する状況となりました。
本年第二四半期(4-6月)の数字について、床面積辺りの価格を見てみると以下のような結果となりました。
エリア | 物件タイプ | 床面積辺り価格 $/SqFt 2021年(2020比・2019比) |
2020年 | 2019年 |
---|---|---|---|---|
マンハッタン | コンドミニアム | $1,323(-1%・-3%) | $1,330 | $1,365 |
コープ | $959(-1%・-4%) | $969 | $1,000 | |
新築 | $1,953(-5%・-9%) | $2,065 | $2,151 | |
ブルックリン | コンドミニアム | $995(+10%・+1%) | $905 | $985 |
コープ | $527(-32%・−5%) | $780 | $557 | |
新築 | $1,058(+1%・-5%) | $1,048 | $1,114 |
パンデミックの真っ只中であった2020年と、パンデミック前である2019年の同期比を見てみると、確実に物件価格がパンデミック前の水準に戻りつつある事がわかります。特にブルックリンのコンドミニアムマーケットについては、より広いスペースやアウトドアスペースなどを求める購入が加速し、既にパンデミック前の価格水準と同等以上の数字となっています。
私自身の直近の販売物件を見ても、最初のオープンハウスでオファーが入り成約となった物件や9件のオファーが入り価格がアスキングプライスよりかなり上がった物件、また購入についてもいくつもの物件で複数入札によるオークションの状況をこの数ヶ月で経験しており、(もちろん物件の種類や価格付けにもよりますが)購買意欲の強いバイヤーがマーケットに多いことを肌で感じています。
当初大きな打撃を受けた新築物件(ニューデベロップメント)も回復傾向にあることから、ニューヨークの不動産マーケットはパンデミックによるダメージを概ね脱却しつつある状況と言えると思います。
ただし、上記の数字は、物件の間取りタイプやロケーションにより大きく異なる上、11月に選出される新しいニューヨーク市長や、金利の動向、不動産に対する新課税の動向など不確定要素が多いことも事実であるため、物件販売、購入のどちらにおいても、ターゲットとなる物件ごとに、しっかりとしたリサーチと販売・購入計画が必要です。