ニューヨークで不動産を購入するに当り、大きいビルにするか小さいビルにするかというのはよく話題にされることの一つです。
実際、大きなビルに住んでいる人もいれば、小さなビルに住んでいる人もいるわけで、住んだときの雰囲気や感覚的な部分での感じ方は人それぞれ。どちらのほうがよいとは言いがたいものがあります。
では、どちらでも同じかといえば、実は大きなビルと小さなビル、不動産物件としてみた場合にはいくつかの大きな違いがあり、後々後悔しないためにも、その差を理解しておくことは大切です。
ここで言う大きなビルとは、世帯数が例えば50世帯を超えるようなビルのことで、小さなビルというのは主に世帯数が10以下のビルのことを指します。以下に大きなビルに入っている物件と、小さなビルに入っている物件の違いをまとめてみました。
大きなビルに入っている物件の特徴
<プラス>
- ビル自体の運営を専門の会社に委託している場合が多く、しっかりとした管理や緊急時の対応が期待できる。
- 住み込みの管理人がいるビルも多い。
- 一般的にドアマンは大型のビルに多い。
- ビル自体に大きなトラブルがあった場合、その費用は毎月の管理費で補うため、世帯数が多い場合には一世帯あたりの負担額が低く済む。
- ストレージ、自転車置き場、ジムやプール、屋上の利用や共有の中庭など、共有部分を利用したビル自体のアメニティが期待できる。
- ビル内で知り合いを多く作ることで生活に役立つことがある。
<マイナス>
- 集合住宅的な雰囲気が苦手な人にはあわない。
- エレベーターでの昇り降りが面倒。特にエレベーターから遠いユニットや、エントランスから遠いユニットの場合には部屋から外に出るまでに時間がかかる。
- 同じビルにどんな人が住んでいるのかが把握しづらい。
- コープの場合は購入にあたりオーナー住居率に注意をする必要がある。
- 管理費や税金が高くなる場合が多い。
小さなビルに入っている物件の特徴
<プラス>
- ビル内世帯数が少ないため、人の出入りが少なく落ち着いている。
- ブラウンストーンなどのビルディングを選ぶことができる。
- ビル内の他の住人と近い関係になりやすい。
- コープであっても入居審査の難易度が低い場合が多い。
- 自分たちのビルであるという所有意識や仲間意識が醸成されやすい。
<マイナス>
- ビルにトラブルがあった際、大きなビルに比べ各世帯での負担が相対的に大きくなる。
- ユニット数が極端に少ない場合にはモーゲージ利用時に注意が必要。
- 管理会社が入っていない場合が多いため、運営や管理の質はビルによりかなりのばらつきがある。
- 密なご近所づきあいが苦手な場合には負担に感じることも。
- ウォークアップ(エレベーターが付いていないビルディング)であることがほとんどのため、例えば4階以上などの上層階の場合には昇り降りが大変。
- 大型のビルにあるようなアメニティーは期待できない。
- ドアマンや住み込みの管理人はいない場合が多い。
ここに上げた項目には例外もあり、またこの他にも様々な留意点がありますので特に投資目的で物件購入を検討される場合には注意が必要です。