ニューヨークというのは色々な意味で特徴のある街ですが、このPied-a-terre というのもその一つです。

もともとフランス語でfoot on the groundという意味のこの言葉ですが、自宅とは別に都心に所有するアパートのことを指します。

読み方をカタカナで書くと「ピーィァ・ダ・テェァ」という感じでしょうか(こちらで発音が聞けます)。

実はニューヨークではPied-a-terre としての不動産購入というのは非常に多く、例えば普段はウエストチェスターからマンハッタンに通っている人が、仕事などが忙しいときにだけ泊まるための小さなアパートを購入するなどというのはPied-a-terreの典型的な例となります。

また仕事で世界中をまわりニューヨークには年間3ヶ月ほど滞在するという知人もやはりブルックリンにPied-a-terre を購入していますし、知り合いの作家には、マンハッタンとブルックリンにアパートをもち、週の半々をそれぞれのアパートで過ごしているという人もいます。

もちろん仕事とは全く関係なく、ニューヨークにPied-a-terre としてアパートを購入し、気が向いたときに利用するという人も非常に多く、実はこのような人が増えてきていることから、NYCに落ちるインカムタックスの関係が問題として取り沙汰されることもしばしばです。

具体的にどのようなアパートがPied-a-terre になるのかといえば、アパートのサイズや種類には関係なく、小さなスタジオアパートメントからビルの全フロアを占めるような豪華なアパートまで、目的や予算によりPied-a-terre として使われる物件は様々です。

また購入後の制約の少なさという意味から真っ先頭に浮かぶのはコンドミニアムだと思いますが、実はコープの中にもPied-a-terre としての利用が可能なものもあり、バイヤーにとっての購入の幅を広げています。

ただ注意しなければならないのは特にコープの場合、Pied-a-terre として購入した物件は人に貸し出すことはできないということです。またコンドであってもルールが厳しいビルはありますので注意が必要です。

自宅以外に所有する都心のアパートであるPied-a-terre は、あくまで自分自身が利用するためだけにある、ちょっと贅沢なセカンドハウスというわけですが、ニューヨークの不動産マーケットとライフスタイルの特徴をあらわす言葉の一つといえます。